中国でGoogle翻訳は使える?動く機能と動かない機能
上海に到着すると、タクシーの運転手が手書きのメモを差し出してきます。ところが翻訳アプリは、画面がぐるぐる回ったまま。この記事では実際のところをお伝えします。何が使えて、何が使えないのか。そして飛行機を降りる前に、どんな準備をしておくべきか。
核心の問題:Googleのクラウドサービスは中国本土で使えない
Googleのインフラは、Google翻訳のカメラ翻訳や会話モードを支える部分も含めて、中国本土ではブロックされています。不具合でも一時的な現象でもありません。何年も前からこの状態が続いていて、変わる気配もありません。
実際の使用場面では、こうなります。
- スマホのGoogle翻訳:出発前にオフライン言語パックをダウンロードしていれば、基本のテキスト入力翻訳はまだ動くことが多いです。ただし、リアルタイムのカメラ翻訳と会話モード、そしてGoogleのサーバーに接続する機能は、すべて使えません。
- Googleアシスタント、Googleを裏側で使うSiri、Chromeのページ翻訳:本土のネットワークでは、不安定か完全に使えないかのどちらかです。
- 特に影響が大きいのがPixelです。GoogleのオンデバイスAI機能(リアルタイム翻訳、自動字幕起こし、レコーダーアプリの文字起こし)の多くは、Google Play開発者サービスがクラウドと同期することをひそかに前提にしています。対策なしのPixelで中国に行くと、普通のAndroid端末よりも多くの機能が音もなく止まります。
iPhoneのほうが状況は良好です。Appleが規制の対象外だからではなく、Appleの翻訳が端末内で完結するからです。iOS標準の「翻訳」アプリ(iOS 14で追加)は、言語パックをダウンロードしておけば、カメラ翻訳・音声翻訳・会話モードが完全オフラインで動きます。言語パックは端末の中にあり、Googleのサーバーには接続しません。
到着前に:オフラインパックをダウンロードしておく
空港ではなく、自宅のWi-Fiで済ませておきましょう。
iPhoneの場合:
- 標準の「翻訳」アプリを開く(Google翻訳ではなく、吹き出しが2つ並んだAppleのアプリ)
- 設定→翻訳→ダウンロード済み言語と進む
- 中国語(簡体字)をダウンロード(約200〜300MB)
- 機内モードでテスト:カメラを中国語の文章に向けて、翻訳が出ることを確認
Androidの場合:
- Google翻訳を開き、中国語(簡体字)の横のダウンロードアイコンをタップ
- Googleに接続できるうちに、オフラインパックをダウンロードしておく
- 中国に着いたら、設定→オフライン翻訳で「オフライン翻訳を使用」がオンになっているか確認
- 出発前に機内モードで実際にテストする(ここが重要です)。Androidの一部のビルドは、オフライン設定をオンにしていても裏でクラウドに接続することがあり、使えなくなったその瞬間まで気づけません
もうひとつ入れておく価値があるのがMicrosoft Translatorです。オフラインパックの完成度が高く、MicrosoftはAzureの中国インフラを自前で維持しているため、クラウド接続もGoogleより安定しています。バックアップとして、こちらもオフラインパックを入れておきましょう。
3つのリアルな場面と、それぞれの乗り切り方
1. メニュー
旅行者がいちばん途方に暮れるのがレストランのメニューです。店員がそばで待っているぶん、焦りも大きくなります。
いちばんの対策は、席に着く前にカメラ翻訳を済ませておくこと。中国のレストランの多くは、メニューをウィンドウに貼り出すか、店先に看板を出しています。入店前に路上でスキャンしておけば、テーブルでプレッシャーを感じながら翻訳せずに済みます。
紙のメニューなら、iOS「翻訳」のカメラモードは印刷された中国語をきちんと処理できます。カメラを向けて2秒ほど静止し、テキストをタップするだけ。名訳は期待できず、「佛跳墙」は「仏が壁を跳び越える」としか出ないかもしれませんが、少なくとも豚肉ベースの煮込みであること、食べられないものではないことはわかります。
カメラ翻訳が教えてくれないのは、その料理がおいしいかどうか、その店の看板料理かどうか、むしろ避けるべき一品かどうかです。そこに必要なのは文脈で、翻訳アプリよりKORAのようなサービスが本領を発揮する部分でもあります。メニューを撮って送れば、逐語訳ではなく「3品目がこの店の看板料理です。豚バラの角煮で、たいていの人はこれを頼みます」という答えが返ってきます。
2. 道路標識とナビ
上海・北京をはじめ主要な観光エリアの道路標識は、中国語とピンイン(ローマ字表記)、ときには英語も併記された二言語表示です。大きな通りなら翻訳はほぼ不要です。
翻訳が必要になるのは、細い路地、市場の屋台、手書きの看板、横丁の名前のプレートなど。この程度なら、オフラインのカメラ翻訳で十分対応できます。
地下鉄は、主要都市ならどこも案内表示と車内アナウンスに英語があります。地下で迷子になる心配はいりません。
タクシーと配車アプリは、翻訳アプリが本当に役に立たない場面です。漢字を入力できなければ、現地の配車アプリに目的地をその場で打ち込むことはできません。現実的な解決策は、目的地の中国語住所を地図やホテルのカード、スクリーンショットからコピーして、運転手のアプリに直接貼り付けるか、スマホの画面をそのまま見せること。中国語の住所を口頭で伝えようとしても、まず通じません。
3. 運転手・店主・地元の人との会話
iOS「翻訳」のリアルタイム会話モードは、端末内で動くだけあって、簡単なやり取りなら十分実用的です。「いくらですか?」「小さいサイズはありますか?」「カードで払えますか?」くらいなら問題ありません。マイクをタップして話し、中国語のテキストを画面に表示させて、そのまま相手に見せます。
うまくいかないのは、早口、スラング、複数の質問を1文に詰め込むケース。シンプルに、1回のやり取りにつき1つの内容にとどめましょう。
値段交渉など少し込み入った場面では、アプリを操作し続けるより効く方法があります。相手に言いたいことを翻訳アプリへ入力してもらい、その訳文を見せてもらうのです。都市部の中国の人はスマホでの文字入力に慣れています。こうすればアプリは、ひとりで格闘する道具ではなく、2人で共有する道具になります。
食事制限の説明、体調を崩したときの対応、予約トラブルの解決など、簡単なやり取りを超える場面では、両方の言語を話せる生身の人間のほうが、どんなアプリよりも頼りになります。
KORAの出番:ネットにつながってから
中国で使えるSIMカードとデータ通信を確保したら(詳しくは後述)、メニューと文脈の問題には、もっと速い解決策があります。目の前のもの、メニューでも看板でも商品ラベルでも、写真に撮ってそのままKORAに送るだけ。返ってくるのは翻訳だけでなく文脈です。どんな料理か、辛いのか、地元の人は何を頼むのか、その店に時間を使う価値はあるのか。
「辣子鸡」を「スパイシーチキン」と訳すのと、「大量の乾燥唐辛子の中から鶏肉を探し出して食べる四川料理で、それが自分の好みに合うかどうか」まで教えてくれるのとでは、大きな違いがあります。
すべての前提になるデータ通信の問題
中国でスマホがデータ通信につながらなければ、どれだけオフライン翻訳を整えても意味がありません。自国SIMのローミングは、使えないか、かなり高くつくかのどちらか。しかも多くの旅行者が到着時に持っている初期設定のままのスマホは、中国のアプリ・地図・決済に対応できる状態ではありません。
出発前の現実的な答えは、現地番号とデータ通信付きの本物の中国SIMカードを用意しておくことです。KORAのサバイバルキットはまさにそのために作られています。+86番号付きの物理SIMカードとデータ通信、そしてセットアップのサポートが空港で待っています。コンビニで手間取ることも、手持ちのSIMフリー端末が対応バンドかどうか推測する必要もありません。詳細とプランはkoracn.comに掲載しています。
よくある質問
Google翻訳は中国で使えますか? 一部は使えます。出発前に言語パックをダウンロードしていれば、オフラインのテキスト翻訳は動きます。カメラモード、会話モードなど、Googleへのライブ接続が必要な機能は、本土のネットワークでは当てになりません。
中国旅行に最適な翻訳アプリは? iPhoneなら、オフラインパックをダウンロードした標準のApple「翻訳」アプリ。Androidなら、オフラインパック入りのGoogle翻訳に加えて、バックアップにMicrosoft Translatorを。どちらも出国前に機内モードでテストしてください。
iPhoneは中国でも普通に使えますか? ほとんどの機能は問題なく使えます。iMessage、FaceTime、Apple マップ、Apple「翻訳」はすべて動き、App Storeも正常です。使えないのは、Googleに依存するアプリと、バックグラウンドでGoogleのサービスを経由する機能です。
Androidスマホは中国で使えますか? 使えます。ただしPixelは、Googleのクラウドサービスへの依存が深いぶん、ほかのAndroidブランドより失われる機能が多くなります。SamsungやOnePlus、Xiaomiなら、中国ではPixelより総じて快適です。
中国語が話せない場合、タクシーの運転手とどうやり取りすればいいですか? 地図やスクリーンショットからコピーした目的地の中国語住所を、スマホの画面に表示して見せてください。口頭で伝えようとしないこと。配車アプリなら、中国語住所を目的地欄に貼り付けます。なお多くの運転手には、翻訳アプリの音声よりも、親指を立てる・下に向けるといった「OK/NG」のジェスチャーのほうが伝わります。
Pixel片手に運まかせで到着する人も、準備万端のiPhoneを持ってくる人も、いちばん効果があることはひとつです。オフライン翻訳パックをダウンロードして、搭乗前に機内モードでテストしておく。それ以外は現地で何とかなります。とくに、使えるSIMカードさえ手に入れば。
SIMカードの選択肢とサバイバルキットの詳細はkoracn.comへ。
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